夏祭りの総括と実習への不安 第二章 前日と当日〜俺の勝手な行動〜

そして夏祭り前日。Uさんとは一緒に買出しに行った。買出しも俺から俺の地元へ行くように呼び出してしまった。またまたここでも後輩の意見を尊重せずに、俺自身で考えてしまった。自分のいけないところがそのまま露出してしまった。それでも嫌ってことばを言わずについて来てくれた。彼女は本当に素直な子だ。そんな素直な感情を俺は乱用してしまった。悪いことをしてしまったと感じている。やはり先輩としての素質のなさを痛感してしまったし、2日経った今でもまだ後悔している。


当日は天気は最高に良かった。やはりやるだけやれば、神様や仏様も味方してくれるんだなぁって感じた。雨も降らずにできたことは良かった。自分もカメラマンとしてビデオ撮影をしてサークルの役に立てたし、後輩との関わりを持てて充実していた。


ただカキ氷の仕事は何にもできなかった。やはり何もかもUさんにまかせっきり。何かあっても偉そうに先輩権限で指示をしていた。やはり俺は先輩としての資質のなさを、終わってから気付いた。


これはカキ氷だけでなく、レクリエーションの担当でもいえる。すごく中途半端になってしまったなぁと感じる。都合のいいところは自分がやり、都合が悪くなると他の人任せになる。すごく迷惑掛けているということはわかっても、それを改善できない自分はやはり愚かなように思えた。


すごく迷惑をかけたけど、俺にはすごく充実していた。実習前最後の日曜をサークルの企画で楽しめ、実習への不安を忘れさせ、生活の活力剤としての役割を担ってくれたこの夏祭りという非現実的な世界を楽しめたことは、自分にとってすごく良い時間だった。またかなりの時間を割いて夏祭りにかけてきたので、それが上手くいけば達成感は強いものになった。この達成感はプライスレスの価値であり、それを得る企画が少なくなっていた帰宅部でこのような企画ができたのは嬉しかった。


ただ、非現実の世界は夏祭りが終わったことにより、脆くも崩れた。夏祭りが終わってしまったら、次は実習が迫ってくるという意識になった。今まで夏祭りがあって実習の不安が取り除けたのが、夏祭りが終わると不安が一気に積もるだけだった。帰りの車内では、その不安に押しつぶされていた。ニコニコしている人が羨ましかったし、そして憎かった。途中で後ろに後輩の車で楽しそうな雰囲気をしていたのを見て、俺は見ていられなくなり、遠回りをして帰った。